アリテンゴク

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前にどこかで聞いたことがある。
もしかしてこれが…アリジゴクの巣だ!
上りたい思いとは裏腹に、砂に足を取られ、どんどんと下へ吸い込まれていく。
嫌だ。死にたくない。
必死にもがくも、どんどんと吸い込まれていく。

どんどん。どんどん。

遂に。

うわあああああ!!!!!

目の前が真っ暗になった。


甘い香り。ここは…?
なんてことだ。目の前には光り輝く砂糖の山。
他の働きアリたちの姿も。しかし、誰も働いていない。
みんな、砂糖の粒を片手にだらだらと過ごしていた。まさに誰もが夢見る生活じゃないか。

アリジゴクなんて嘘だったんだ。むしろアリテンゴクじゃないか。
今日からはもう自由だ。いつまでもここで幸せに暮らしていこう。


「おい、いつまで寝ているんだ!女王様に報告するぞ!」

仲間の働きアリの声にハッと目が覚めた。
休みなく働かされる、まさにジゴクの一日が今日も始まった。
その他
公開:20/07/27 23:25

日常のソクラテス( 神奈川 )

19歳男子大学生です。
ショートショートの自由でちょっぴり不思議な世界観に惹かれ、自分も書いてみたいと思うようになりました!
主に恋愛、青春、ファンタジー、日常系を中心に書いています。
まだまだ勉強中です!ぜひコメントいただけたら嬉しいです!
空想競技コンテスト銅メダル『ピンポンダッシュ選手権』
空想競技コンテスト入賞  『ダメ人間コンテスト』
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最近は少し長めのお話を書いているので更新少なめです^^

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