数値化文化

0
3

いつからか、人は何でも数値化したがる動物になった。

通信簿に偏差値、会社の査定にミシュラン。元をたどれば貨幣制度だってそう。あれは1万円、これは2千円。そうやって物の価値を数字で決めてきた。

こうした数値は複雑化の一途をたどっている。意味不明な指標が都会にあふれ、その数字を求めて集まる人たちが、数字の波に翻弄される。ゼロはダメ、ヒャクは良し。様々な数字を積み上げることだけに人は囚われてきた。

いま、人類は未曽有の大問題に直面している。人が築いた数値化文化が通用しなくなっている。

そもそも、誰が感染して誰が感染していないのかさえわかりづらい相手なのだ。そんな不確実な「感染者数」という数字を基に組み立てられた緩和基準に、何の意味があるだろう。

数字ではない価値観。人が本来、最も尊んできたはずの心根。つまるところ、何をするにも、他者への思いやりに立ち返るべきなんじゃないかって気がする。
その他
公開:20/07/27 22:15

ふみなか( 東京 )

40代半ばの会社員。家族は妻、中3息子、小6娘。つらつらと文章をつづるのが好きです。読んでいただけたら嬉しいです。

コメントはありません

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容