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母が死んだ。
道路に飛び出した子どもを庇って、車に撥ねられたと聞いた。母らしい。
母の死に皆が驚き、涙した。「殺しても死なないような人なのに…」と口々にする。
父は大泣きした。それ以上に祖母が大泣きした。
いつも喧嘩ばかりしていた祖母はお嫁さんだった母を実は凄く評価していた。
「今時珍しい、気骨のある人だった」と涙する。
遺体を燃やし、遺骨を拾った。
そして、納骨の時に事件が起こった。
骨壺の蓋を突き破り、骸骨の腕が出て来た。
「未練残して死んでいられるものですか!」
母が生き返った。

母は一度死んで、骸骨になって戻って来た。
母は僕が悪い事をすると腕を振りかぶり、文字通り拳骨を飛ばしてくる。
母は僕の勉強を見る為、頭蓋骨を机の上に置き、体は台所で料理を続ける。そのせいで時々料理の中に骨が入っている。おっちょこちょいめ。
母は凄くたくましい。
僕はそんな母の骨から取った味噌汁が大好きだ。
公開:20/07/27 19:23

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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