翌日の家電たち

一人暮らしサラリーマン。仕事終わりに家で飲むビールは最高だ。
だがこの日は一人ではなかった。
家にあるテレビ、洗濯機、冷蔵庫などのさまざまな電化製品たちも酒を飲みたいと言い出した。
普段おれにこき使われ無理はない。
日頃の彼らの働きを労い、みんなで乾杯することにした。
おれは上司への愚痴が、電化製品たちはおれへの愚痴が止まらなかった。
それでもその晩はとても楽しかった。

朝、床で目が覚め昨晩いつの間にか寝ていたのだと気づく。
冷蔵庫に水を取りに起き上がるも、飲み過ぎたのか頭が痛い。
冷蔵庫は少し火照っていて、手に取った水はなんだかぬるかった。
顔を洗いテレビをつけると、画面が粗くぼやけていて見づらい。
夕方、明後日のプレゼン資料を印刷したが、プリンターは指定よりはるかに多い枚数のコピー用紙を吐き出した。

この日はみんな二日酔いで苦しんでいた。