煽り運転

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この道は事故が多いらしい。
まあ、こんだけ皆バカスカと飛ばしまくっているんだから当然だと思う。
私は怖いから法定速度をしっかり守ってるけど。その時だった。
「プップー」
クラクションが鳴った。私?私は悪くないよ。
「プップー」
うるさいなあ。絶対どかないから。
「プップー」
ああ、しつこい!私の何が悪いってのよ。
あまりにしつこく煽ってくるものだから、イライラしてきて、私は顔を拝んでやろうと振り向いた。
クラクションを鳴らしているのは、みるからに柄の悪い男性だった。
でも、彼の顔色は怒りで紅潮するどころかみるみる青ざめていった。その理由は明白だった。
車の後ろから不気味な黒いもやが追いかけて来ていたのだ。
次の瞬間、もやが彼の車を包むと、彼は途端にハンドルを右に切った。
車はガードレールを突き破り、谷底に落ちていった。
ようやく皆が飛ばしていた意味を理解した私は思いっきりアクセルを踏んだ。
ホラー
公開:20/07/29 07:00

竜泉寺成田

物書きを目指している大学3年生です!
noteで短編を、Twitterでは140字小説を毎日投稿しているのでよかったら見てってください〜!!
ショートショートガーデンは思いつき次第更新します!難しい!いつかさわやかな作品を書きたい!
楽しんでもらえたら幸いです〜。
note:https://note.com/ryusenji_narita
Twitter:@ryusenji_narita

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