真夜中のコンビニ

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儂の一生はコンビニに始まり、コンビニに終わっている。
母は夜泣きが酷い僕を連れ、コンビニに通っていた。店にいる間、僕は大人しかったらしい。
幼稚園、僕は店員さんに恋をして、失恋をした。
小学校、僕は学校帰りに友達とよくコンビニに集まった。
中学校、俺の勉強疲れをコンビニは癒してくれた。
高校生、部活に励む俺は毎日コンビニ弁当を2つ食っていた。
大学生、俺は店員の女性に恋をした。
社会人、私はその女性と結婚した。
定年後はそのコンビニが閉店すると聞き、買い取って私がオーナーになった。この店には愛着がある。
おかしな事が起ったのは妻が亡くなった時だ。まるで冥土への土産と言わんばかりに妻の好きなお菓子がなくなっていた。
さらに夜遅く、儂が天に召される時にもそれは起こった。冥途の土産と言わんばかりに真夜中のコンビニが儂についてきた。
一夜にして消えたコンビニと地元ではちょっとした騒ぎになったよ。
ファンタジー
公開:20/07/26 18:25

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

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