守る人

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 巡査は言う。
「きょうも精が出るね。気をつけて」
「ありがとうございます。行ってきます」
 いつの頃からか、彼と巡査はまるで日常のこととして挨拶するようになった。
 彼女がこの山に消えて4年。何の手がかりも無く、何も見つからず。山は彼女を飲み込んだまま放さなかった。
 僕は彼女のため、この山を歩く。足繁く。
 それだけでは気が治まらず、4年目にしてこの山のほど近いところに居を構え、仕事も近隣に変えた。
 僕は地元の人たちとも交流を深めた。友達になり、町に溶け込んだ。
「この山と森は、僕のふるさとです」そんなことまで彼は言った。町の人々も彼を不憫に思いながら、町の一員として情を持って受け入れていった。

「僕は君が大好きだった。僕は君から離れられない。……唐突な別れ話に僕は動転したよ。「気持ちをスッキリさせる」という君の山歩きを僕は追った。そして……僕はこの山を守るよ。君を埋めたこの山を」
その他
公開:20/07/26 09:34

N(えぬ)( 横浜市 )

読んでいただきありがとうございます。(・ω・)/
ここに投稿する以外にも、自分のブログに同時掲載しているときがあります。

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