ある朝突然に

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もう普通のポルノじゃ売れないと、女優と男優を行為の最中に同時に爆発させた。期待してたものと違うということで大クレームが。 それでもセンスのある奴には何か刺さったらしい。結局表彰までされた。しばらくは悠々自適だ。...ひきこもってしばらく暮らすか。地下に親の趣味のシェルターがあるし。

まだみんな知らないけど、本当に爆発させたんだ。あのときみんな喜んでいたからいいのか?本当に人が二人死んだのに。ボン!頭から離れないあの音。ずっと頭の中で反響してる...人が死んだときの音だ。

結局あの日から頭のなかで音が鳴り止まなくなった。イヤーワームってやつなのかもしれない。でも嫌にうるさい。毎日ずっとずっとだ。慣れてきても、うるさい。

ある朝、今までとは別次元の大きさの音が聞こえた。いっせいに、今までの音が何十億も同時に。それを最後に何も聞こえなくなった。残ったのは静寂だけだ。





 
SF
公開:20/07/26 00:08

スイングラオス

小説を書く練習をしています。
 

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