納得出来る殺人
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「殺人事件が起きたら、ワイドショーでなぜこんな事件が起こるのでしょう、って言いながら憶測を神妙な顔で話すだろう」
俺はペットボトルのお茶を友人に渡す。
「ほとんどの人間は犯罪を犯した人間を知らないし、警察も記者も全てを発表するわけじゃないからだろ」
友人が、受け取ったペットボトルのお茶をごくごく飲んだ。
「そうだ、だから納得も出来ないのは当たり前だし、不安なままだ」
「何が言いたいんだよ」
友人は焦れたように俺の顔を見た。
「いやさ、サスペンスドラマの犯人って、追い詰められたら動機を話すだろ、これでもかっていうくらい」
「あはは、そうだな」
「髪の毛ほどいたり、眼鏡を取ったりするのも、わたしという人間はこんなにキッチリした人間ではないんだっていう宣言だと思うんだ」
俺は言いながら眼鏡をはずす。
「ーー何だよ、怖ぇよ」
「眠くなるまで、納得出来る動機を話すよ」
ペットボトルがぽこんと鳴った。
俺はペットボトルのお茶を友人に渡す。
「ほとんどの人間は犯罪を犯した人間を知らないし、警察も記者も全てを発表するわけじゃないからだろ」
友人が、受け取ったペットボトルのお茶をごくごく飲んだ。
「そうだ、だから納得も出来ないのは当たり前だし、不安なままだ」
「何が言いたいんだよ」
友人は焦れたように俺の顔を見た。
「いやさ、サスペンスドラマの犯人って、追い詰められたら動機を話すだろ、これでもかっていうくらい」
「あはは、そうだな」
「髪の毛ほどいたり、眼鏡を取ったりするのも、わたしという人間はこんなにキッチリした人間ではないんだっていう宣言だと思うんだ」
俺は言いながら眼鏡をはずす。
「ーー何だよ、怖ぇよ」
「眠くなるまで、納得出来る動機を話すよ」
ペットボトルがぽこんと鳴った。
ミステリー・推理
公開:20/07/27 12:47
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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