天使の運命と星座の誕生　〜名付けられしもの〜

その巨大な惑星は海の惑星だ。
だが半径の半分を潜ると海底に突き当たり固い岩盤がある。
その中は空洞で、遠心力で天井を歩く人々と動物たちが暮らしている。小さな太陽も回っている。

そのまた半分を進んだ空中には球体の海が浮かんでいる。
そのまた半分を潜ると海底に固い岩盤がある。
その中は空洞で、小さな小さな太陽が回っている。

これが繰り返されている入れ子構造の惑星なのだ。
そして中心部には小さな惑星があり内側は空洞だ。その中には小さな小さな小さな太陽がある。

そこには一人の天使が住んでいた。天使はこの世界に満足していた。
だが星系に異変が起きた。海がなくなり岩盤が剥がされることが繰り返され、太陽たちは飛んでいき、崩壊は中心部に至った。

殻を破られた天使は星と知らずに星々を見つめ、宇宙に浮かんだ。そして名もない銀河において、散らばった太陽たちと一緒になり、宇宙で最初の星座となった。