タイムダイバー：明日のない今日（４）出発

作戦は、問題のタイムチューブAX－256にある『明日』の端面に到達したら、わずかなクラック（ヒビ割れ）から外部次元に出る。
アマテラスはまずリーパー（時間跳躍機）を接続可能なポイントを探す。そして時間工作艦が制御可能な数まで絞り込むのだ。次元が１つ高くなければ不可能なことだが。

俺は、スライスされたサラミ、つまり『明日』を１枚移動させるだけだと自分に言い聞かせた。

30分後、俺たちはハイパードライブを駆って、天の川銀河の中心方向にあるAX－256に入れる地点に向っていた。そこが一番早かったのだ。
そしてアマテラスを先頭に200年前へのタイムリープを開始した。
流石に艦隊だけあって陣形が見事に組まれている。俺は少し速度を上げると艦隊に伝えた。
AX－256を外れないようロックをかけ、半自動操縦で進んだ。監視は６台のタイマーだ。
１時間ほどで『明日』の端面に突き当った。ここからが本番だ。