タイムダイバー：明日のない今日（６）ハードポイント

俺たちは艦隊と共に、高速探査機のためにリング状にハイパースペースを張る作業を行なった。『明日』という薄いサラミの外周に沿ってだ。少し張るのに時間がかかるが、完了してからは早い。
あと１５時間を切った。

５次元空間をタキオンエンジンで光速の100倍のスピードで飛べる探査機は、1億カ所の適正ハードポイントを見つけ出した。そこから計算で絞り込むのだ。

艦隊旗艦から連絡が入った。進捗状態を伝えるとハヤカワ大佐は言った。
「ハードポイントは1000万カ所に絞ってくれ」
クルーは全員が絶句した。対応できるのだろうか。100万カ所以下に絞り込むつもりだったのだ。

「対応に心配はない。５時間ほどかかるがね」ハヤカワ大佐は断言した。
計２５隻の時間工作艦は既にサラミの周辺に展開を開始していた。計５０隻の時間巡洋艦、時間護衛艦、時間駆逐艦、時間フリゲートも続く。最終的にはほぼ等間隔に展開するのだ。