タイムダイバー：明日のない今日（５）５次元へ

アマテラスは持てる量子コンピュータとレーダーの能力を駆使してなるべく幅の広いタイムクラックを探した。
タイムナビゲータのココ・ルーシャもフル回転で６台のタイマーとアマテラスの量子コンピュータに指示を飛ばしていた。
１０分の距離にそれはあった。大型の工作艦にも支障は無い。
俺は全艦に時空座標を伝えた。
アマテラスは次元保護バリヤをかけてからタイムクラックから時空間の外へと出た。

高次元レーダーで見るとタイムチューブは本当にチューブのようだ。そしてスリットにある『明日』は薄く切り取られたサラミソーセージのようだった。こいつを今から移動させるのだ。
リーパーを接続するハードポイントは次元移動に耐えられる強度が必要だ。そのサーチは難解極まりない。時間管理局の６台に加えてアマテラスの量子ミニコン３台をネットワーク化して極限まで能力を絞り出す。
その役割は船長の俺だ。経験と知識とノウハウが要るのだ。