石焼き芋と自動販売機 ~自販機シリーズ~

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「い~しや~きい~も~、やきいもっ!」
秋の風物詩、石焼き芋屋が販売に来た。
俺は買おうとして通りに出た。そして絶句した。
焼き芋専用窯を積んだリヤカーを引いているのは、自動販売機だったのだ。

「何で自販機がリヤカー引っぱってんだよ!?」
『自販機の売上が落ちてね。バイトに流しの石焼き芋屋を始めたんだよ』
「自販機がバイトするようになったら世も末だな」

「しかし石焼き芋の自動販売機はできないのかな?」
『高温の処理と石が問題だね』
「レンチンでも美味いのができるぞ」
『それは石焼ではない!』お堅い自販機ではある。

「中ぐらいのを3本くれ」
『1200円だけど1000円にまけとくよ』

ホッカホカの芋を新聞紙にくるんで渡されたとこが牧歌的だ。
『ありがとよ』自販機はリヤカーを引いて歩いていった。
哀愁の漂う後ろ姿だが、力強く生きていくのを感じた。
「い~しや~きい~も~、やきいもっ!」
ファンタジー
公開:20/09/28 01:03

わんにゃん( 大阪・京都 たまに東京 )

人生3度目の小説への挑戦です。最初は中高生の時でした。

R2.8.29 初めての利用から数日ですが、コメントされる喜びとコメントする楽しさが分ってきました。こじんまりとしたSNSみたいでいい雰囲気ですね。

フォロー返しは必ずします。コメント返しもします。

【入院】10.29(木)から心臓冠動脈バイパス術で入院します。術日は11.2(月です。
【手術】成功しました。皆様からの応援の賜物と厚く感謝申し上げます。心臓ICUから通信許可出ましたv
【退院】11.14(土)退院。応援有難うございます。ご心配おかけしました。
【他サイト】エブリスタhttps://estar.jp/users/581438913

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