最近の若者（１）

「うぉ〜。マジやべえな！」
今日は、ダチのヒロタカと山菜取りに来ている。
「めっちゃあんじゃん‼」
ノビルに山椒にヤマボウシ。くぅ〜たまんねえ。
ちゃっちゃと帰ってつまみにして、ビールでも飲もうや。
「よっしゃ、そろそろ帰るか」
ホクホク顔で車へと向かう。
「ちょっと待ちな！」
突然聞こえた背後からの声に、ビクッとして振り返る。
軍手をはめた老婆が、腰に手を当ててこっちを見ていた。
「ここは、家の山だよ！勝手に取って帰られちゃあ困るな」
とっさに謝ろうとした俺を遮って、ヒロタカが食って掛かる。
「生えてるから取っただけだろ！お前らが取らずに腐らせるだけなら、俺らが取ったって構わねえだろうがよ！ユウタ、帰ろうぜ」
ヒロタカと車へ向かう。
ヒュンッと言う音が聞こえたやいなや、俺たちは意識を失った。