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まだ晴れぬ霧の中、事務所に向けて車を走らせる主人。
わたしは助手席を専属記者に譲り、後部座席に着いた。
「テープは大丈夫か?」
「まだ余裕です」
と、機器を確認するトト。
カセットテープの録音機とは今時珍しいな。
「それで、話っていうのは?」
「実は、蒼猫に関する事なんです」
「…」
まさか、この短い間に二度も蒼猫の話が出るとは。
「君も持ってたのか?なら、あいつにいい顔させずに済んだのに」
「その場限りの優位のために、切り札は使いませんよ。それに、正確には蒼猫とセディさんの事ですから」
言いながら、トトは肩から下げている鞄に手を突っ込んだ。
「この記事を知っていますか?いえ、覚えていますか?」
取り出したのは、古い新聞記事だった。字体や匂いから読み取れた成分からして"この国"のものではない。
筆頭欄には、こう書かれていた。
『盗縛劇に乱入!プロを手玉に取った驚嘆の兄弟!』
わたしは助手席を専属記者に譲り、後部座席に着いた。
「テープは大丈夫か?」
「まだ余裕です」
と、機器を確認するトト。
カセットテープの録音機とは今時珍しいな。
「それで、話っていうのは?」
「実は、蒼猫に関する事なんです」
「…」
まさか、この短い間に二度も蒼猫の話が出るとは。
「君も持ってたのか?なら、あいつにいい顔させずに済んだのに」
「その場限りの優位のために、切り札は使いませんよ。それに、正確には蒼猫とセディさんの事ですから」
言いながら、トトは肩から下げている鞄に手を突っ込んだ。
「この記事を知っていますか?いえ、覚えていますか?」
取り出したのは、古い新聞記事だった。字体や匂いから読み取れた成分からして"この国"のものではない。
筆頭欄には、こう書かれていた。
『盗縛劇に乱入!プロを手玉に取った驚嘆の兄弟!』
ファンタジー
公開:20/09/27 20:43
更新:20/12/19 23:32
更新:20/12/19 23:32
ファンタジー
連載
探偵
記者
怪盗
犬
まずは、こんにちは。
練馬区で活動中の、趣味の絵描きです。
小説・脚本なども執筆してます。
【番号なし】 用語・設定解説
【Ⅰ】 連載作品『WonDer BroS』 探偵と怪盗の対決が娯楽化した世界での物語。
【Ⅱ】 短編連作『Story Of Dri(P)Party』
【Ⅲ】 連載作品『根源悪の牧場』 戦争による差別と弾圧に支配された世界での物語。
【Ⅳ】 連載作品『ドライワンダーに遣う』
【001~】 短篇集『short TaleS』
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