イザとコザ

イザとコザは幼馴染で大の仲良しです。
でも一緒にいると揉め事が多く周りにいつも迷惑をかけてしまいます。
二人に悪気は無いのですが一緒にいると周りに揉め事が巻き起こるのです。
やがて二人は距離を置くようになり、イザは引きこもりがちになってしまいました。
やっと散歩に出向いてもすれ違う人から「コザの所にいくのかい？悪いことは言わないから。ね」
「コザと仲良くすると君の為にもならないよ」
心無い声にどんどん足が重くなります。

ふとイザはあることに気が付きました。
何故か揉め事は今も周りで起こっているのです。
「僕は今一人なのに…」

「そういえば僕はいつからイザだったんだろう。コザだって昔は違う名前で呼んでいたような気がする」
言いようのない黒いザラザラが心の中で蠢きました。

「イザ！」
声に顔を上げるとコザが笑顔で立っていました。
その笑顔にイザは応えました。
「もう僕たちは自由だ」