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5つの絵画全てを巡ったタウン誌の記者は、丘の上、小さな家へとたどり着いた。

優しく老婦人が出迎えてくれる。

地下室にそれはあった。

作者の愛で優しく描かれた、老婦人の肖像。

幻の6枚目、白の絵画『無題』

「たどり着きましたか…」

聞き覚えのある声。

「あ、あなただったのか…?」

仮面の下、ひどい火傷の跡。

「伯爵」が「仮面の画家」ということだろうか?

「少し違います」

仮面の集団が現れ、仮面を外した。よく見れば見知った顔ばかりだ。図書館の司書、女性メダリストに、教会の神父もいる。

「主人は、随分前に亡くなりました。」

『無題』を書き終えた画家は、病に倒れた。

「仮面は受け継がれる。我々の手で…」

「仮面さえあれば誰もがマスカレイドだ。」

「さぁ、あなたも…」

タウン誌の記者は、手にした仮面を被る。

仮面の画家の絵画は、その街で今もなお、描かれ続けている。
ミステリー・推理
公開:20/09/24 17:19
仮面の画家⑦ 最終回 ご愛読ありがとうございました 空津歩の次回作にご期待ください ←言いたいだけ

空津 歩( 東京在住 )

空津 歩です。

ずいぶんお留守にしてました。

ひさびさに描いていきたいです!


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