遠い日から見た未来

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誰かに見られているような気がして振り返った。だが誰もいない。
妻が「どうかしたの?」と聞くので、誰かに見られている感覚を話した。
「疲れてるのよ。最近帰りが遅いし」確かにそうだ。
息子のためにも気にしないことだ。

その夜俺は夢を見た。子供の頃の夢だ。見知らぬ老人が遠眼鏡を見せてくれた。
『未来を見る遠眼鏡だよ』
少年だった俺が覗くと、くたびれた中年男が見えた。
俺は笑って『ああは成りたくないね』と言った。老人は笑って消えた。

俺はガバッと起きた。思い出した。あれは本当にあったことだ。子供の俺が今の俺を見ていたんだ。

晩ごはんを食べてると息子が言った。
「今日変なお爺さんに会ってね。未来を見る遠眼鏡を見せてくれたんだ」
「まぁ、知らない人と口を聞いてはダメじゃないの」と妻。
「そしたら妙なおじさんが見えてね」
「ああは成りたくないね」って言ったらお爺さんはふっとき消えちゃったんだよ」
SF
公開:20/09/24 14:43

わんにゃん( 大阪・京都 たまに東京 )

人生3度目の小説への挑戦です。最初は中高生の時でした。

R2.8.29 初めての利用から数日ですが、コメントされる喜びとコメントする楽しさが分ってきました。こじんまりとしたSNSみたいでいい雰囲気ですね。

フォロー返しは必ずします。コメント返しもします。

【入院】10.29(木)から心臓冠動脈バイパス術で入院します。術日は11.2(月です。
【手術】成功しました。皆様からの応援の賜物と厚く感謝申し上げます。心臓ICUから通信許可出ましたv
【退院】11.14(土)退院。応援有難うございます。ご心配おかけしました。
【他サイト】エブリスタhttps://estar.jp/users/581438913

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