ヒエログリフの解読

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「博士、これはすごい発見ですよ!」
「この石板、今まで見た中で一番保存状態がいいな。これを解読すれば研究がかなり進む可能性があるぞ」

2人はピラミッドの中でヒエログリフ(象形文字)が描かれた石板を見つけたのだ。大きな破損もなく、文字もはっきり見ることができる。2人は早速研究所へ戻り、解読を始めた。

1週間後のある朝、研究所に出勤した助手は、粉々に砕かれた石板を見つけた。どうも昨晩、泥棒が入り、割ってしまったらしい。助手はため息をつきながら破片を拾い上げた。
「あーあ、世紀の大発見だったかもしれないのに。一からやり直しですね」
「仕方ない。ここでは盗みや壊しは付き物だ。また頑張ろう。」

集まった破片は箱に入れられ、博士はそれを持って倉庫へ向かった。
「やれやれ、断腸の思いだったが仕方ない。5000年以上経ってもテストの点数が悪かったなどと笑われたくなかろう。これで良かったのだ」
青春
公開:20/09/25 12:36

川島 太一

2020年9月から書き始めています。
いつかの作家デビューを目指して、とにかくあらゆるジャンルのものを書いていきますので、お読みいただければ幸いです。

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