マフィアのボスは何故、猫を膝の上に乗せているのか?

2
3

ボスが葉巻を吸いながら猫を撫でている。
俺とボス。部屋には二人だけ…俺はこの時をずっと待ち望んでいた。
家族を殺され、この男に復讐すると誓ったあの時から煮え湯を飲み続け、本心を隠し生きて来た。
…だがそれも今日で終わりだ!ボスを殺し、俺は復讐を果たす!
俺は素早く銃を取り出すとボスに向かって銃弾を全て撃ち込んだ。
銃弾は全て、ボスに当たる事なく背後の壁へと突き刺さった。
「危ない所だった…こいつが居なければ儂は死んでいたぞ」
そう言ってボスが俺に見せたのは膝の上に座っていた猫だ。
猫は目を細め、爪を俺に向け威嚇していた。
「こいつは儂の懐刀。こんな事もあろうかと儂を護るよう仕込んでおいたんだ」
そんな馬鹿な!猫が護衛なんて聞いてないぞ!
「さて…裏切り者に死を与えるのは当然だ。何より、お前は儂の秘密を知ってしまった」
ボスの猫が音もなく俺に近寄る。
「さらばだ」
俺の喉から血が噴き出した。
ミステリー・推理
公開:20/09/23 18:40

幸運な野良猫

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。
元・どんぐり三等兵。2021年2月22日。猫の日にちなんで名前変更。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容