道

最近、見知らぬ奴らがやたらと声を掛けてくる。
それも顔のあおっちろい生気のないような奴らばかりだからいっそう気味が悪い。異世界だか異次元からでも紛れ込んで来たんじゃねーかって感じ。

中には上目遣いで、
「あ、あの、中、入っていいですか」
とか訳の分からないことを言ってくる奴もいる。
何だよ中って、全く意味が分からない。

ほら、まただ。
「すいません、急いでいるので中通ってもいいですか？」
「はあ？」
俺が怪訝な顔をするとそいつは青白い顔をしながら自分のスマホを俺の前にかざした。
「だってほら、近道って表示されてるんですよ」
見るとそこには俺の口から胃袋を通り肛門までがまるで最短ルートのように赤く光って点滅している。
「ね？」

ね、じゃねーよ。
一体どこに繋がってるっていうんだよ。