神の記憶

4
5

魔法使いの杖を少女は操り、呪文を唱えた。
「稲妻(アストラペー)」
杖の周りには聖霊達が寄り集まっている。
青い光が杖の周りを走り、今度は神に向かってエレキが走った。
神は巨大な手を動かし、前面にバリアを張った。
稲妻が力をなくし、徐々に消えていく。
「魔法使いのその呪文も私が彼に教えたものだ」
「わたしの仲間が彼を拘束しているわ。わたしは呪文を勉強しているところだけれど。禁制された魔法があると聞いているの。それを教えてほしいわ」
「時の巫女よ、なぜお前は世界を破壊しようとする」
「わたしがあなたの代わりに神になる為よ」
灼熱(カーフシ)、と少女が唱えると、辺り一面炎で包まれた。
にやけた顔の少女が神を見上げた。
神は思い出した。地球を作り出したあの日を。
そして広大な海から幾多の美しい生命が宿るあの瞬間を。
ファンタジー
公開:20/09/23 20:06
更新:20/09/26 17:50
「時の記憶」の続編

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容