『夜月』

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この街には月が2つあった。

毎夜、表情を変え儚く揺蕩う月。

それと別に、教会の時計塔に圧倒的な写実性を以って描かれた輝く満月の絵画『夜月』

「見紛う」などというレベルではない、その絵画はもはや月そのものだった。

『夜月』の魅力はその圧倒的な写実性。

「月の複製」とまで言われた第二の月。しかし、ある学者が『夜月』を解析し、驚くべき秘密を発表した。

「『夜月』には独自の幻想世界が描かれている。」

その月の絵画を顕微鏡で拡大してみると、そこには、狼男やバンパイア、かぐや姫など月にまつわる架空の存在がそこに息づくような息吹を以って描かれていた。

仮面の画家を知るものはいないが、彼なりのユーモア溢れる幻想世界が写実の月に広がっていた。

そして、この『夜月』を含む5大絵画を巡る旅が終わったとき、幻の6つ目の作品の存在と彼の正体への扉は開く。

タウン誌「マスカレイド5大絵画特集」より
ファンタジー
公開:20/09/23 19:37
仮面の画家シリーズ⑥ 一日遅れてごめんなさい。 次回最終回

空津 歩( 東京在住 )

空津 歩です。

ずいぶんお留守にしてました。

ひさびさに描いていきたいです!


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