スカイアグリカルチャー

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スカイアグリカルチャーは、その名のとおり空で農業を行う会社だ。もともと天気予報などを手掛ける気象関連のスタートアップ企業だった。
空でも浮かぶスカイシートという敷地に、特殊な種を撒いて農作物を栽培する。そして、スカイテントでビニルハウスを設け、いくつもの分散型の農園をつくる。農園はクラウドファンディングによって運営されている。
太陽が燦然と輝く真っ青な空はスカイテントで育つ農作物にとって絶好の環境だが、ときどきスカイテントに迷いこむ鳥を除去したり、空耕用の肥料や水をやるなど余念がない。
九月には台風の到来をあらかじめ察知して、農園に接近してきたら速やかにスカイテントを閉じて収納する。台風が過ぎ去って再び元に戻せば、そこから続けて農作物を栽培できるという優れものだ。今やスカイアグリカルチャーは業界の台風の目となっている。
これからは天高く馬肥ゆる秋だ。農園では実り多い収穫のシーズンを迎える。
SF
公開:20/09/22 07:05
農業 天気予報 気象 スタートアップ企業 農作物 栽培 ビニルハウス 農園

SHUZO( 東京 )

1975年奈良県生駒市生まれ。奈良市で育つ。同志社大学経済学部卒業、慶応義塾大学大学院政策・メディア研究科修了。
田丸雅智先生の作品に衝撃を受け、通勤中や休日などで創作活動に励む。
『ショートショートガーデン』で初めて自作「ネコカー」(2019年6月13日)を発表。
読んでくださった方の琴線に触れるような作品を紡ぎだすことが目標。
2022年3月26日に東京・駒場の日本近代文学館で行われた『ショートショート朗読ライブ』にて自作「寝溜め袋」「仕掛け絵本」「大輪の虹列車」が採用される。

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