神の怒り

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地上に降りていた神は、ひとりの女性に恋をした。
女性は神の優しさと愛情に、少しずつ惹かれていった。

神は空へ戻らず、人間に見つからないよう隠れ住み、女性が神の所へ度々訪れ、愛を育んだ。

ある日、大陸の大きい王国の王様が兵士達に、女性を連れてくるよう命じた。
女性が神と一緒にいるという噂を、国民から聞いたからだ。

王様は女性に、神のことを教えろと詰め寄る。
だが、女性は何一つ教えなかった。

怒った王様は、女性を拷問して吐かせろと兵士達に命令する。
ひどい拷問を受けても、女性は何一つ教えなかった。

拷問がエスカレートしていき、耐え切れず女性は死んでしまった。
最後まで、神のことは教えなかった。

女性が死んだことを知った神は、青い炎で王国を滅ぼした。
大地が揺れるほどの大きい音と、王様の叫び声が何度も聞こえたらしい。

最後に残ったのは灰になった王国と、女性への想いだけだった。
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公開:20/09/21 22:13

たーくん。( 関西 )

ショートショートが好きで登録させてもらいました。
よろしくお願いします!

僕の書いた話が、頭の片隅に残ってくれたら嬉しいです。

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