王の苦悩

24
12

 召使い共は余の為に実によく働く。
 食事の好き嫌いの激しい余の好みを熟知し、必ず好物を用意するし、余が一声かけるだけでドアを開けに駆けつける為、余は直接、ドアに触れることすらない。
 大臣は、いつも余の体をマッサージして機嫌をとりにくる。
 王というのは、その一挙手一投足を注目される為、気の休まる時がない。したがって、余の寝室は城の最上階にあり、誰も立ち入ることはできない。
 しかし、最近、大臣が小さな窓を持ち帰ってから、その窓に不審な者が現れるようになった。変わった歩き方をする異形の者。
 王として、そのような者を入国させるわけにはいかぬ。何度も出ていくよう警告するが、いつまでも留まり言うことを聞かぬ。余に付き纏い、異形のくせに余の言葉を真似るではないか。いつ見てもその窓の外にいるが、こちらに侵入する様子はない。
 余の食事の入った袋に描かれた絵と似た姿の異形の者。
 まさか…余は…。
その他
公開:20/09/21 21:58

NORIHISA( 碧の星 )

   創作活動はこちらのショートショートガーデンが初めてです。令和元年12月31日から投稿開始しております。
 勉強になりますので、どのようなことでもお気軽にコメントいただけると嬉しいです。厳しいご意見もお待ちしております。
 どうかよろしくお願いいたします。

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容