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「久しぶり!」
同い年くらいの中年紳士に声を掛けられた。小一の二学期に転校した同級生らしい。全然、記憶にない。
「あのときは、ありがとう!」
「えっ?」
ドッジボールの試合、彼が勢いよくはじいたボールで、トリプルアウト。「負けたのは、おまえのせいだ!」と、みんなから責められ、私がかばい救われたと言う。すると、「ちょっと、ごめん」と、私の頭をスマホでパシャリ!
「見て、君の記憶空間」
スマホには、私の記憶空間。記憶動画がファイルされていた。
小一の記憶にも、彼が出て来ない。
「ディープ記憶ファイルかな?」
彼は、重箱のアイコンをクリック。お箸型タッチペンで、その重箱の隅をつついた。
「あった♪」
ホントだ! 失念を再び詫びると、
「人への思いやり、あなたには極当たり前のこと過ぎて、私への優しさなんて、記憶の片隅なんですよ」
今度は、こちらが救われた。
同い年くらいの中年紳士に声を掛けられた。小一の二学期に転校した同級生らしい。全然、記憶にない。
「あのときは、ありがとう!」
「えっ?」
ドッジボールの試合、彼が勢いよくはじいたボールで、トリプルアウト。「負けたのは、おまえのせいだ!」と、みんなから責められ、私がかばい救われたと言う。すると、「ちょっと、ごめん」と、私の頭をスマホでパシャリ!
「見て、君の記憶空間」
スマホには、私の記憶空間。記憶動画がファイルされていた。
小一の記憶にも、彼が出て来ない。
「ディープ記憶ファイルかな?」
彼は、重箱のアイコンをクリック。お箸型タッチペンで、その重箱の隅をつついた。
「あった♪」
ホントだ! 失念を再び詫びると、
「人への思いやり、あなたには極当たり前のこと過ぎて、私への優しさなんて、記憶の片隅なんですよ」
今度は、こちらが救われた。
SF
公開:20/09/21 20:28
#同級生
#再会
#記憶
#片隅
#スマホ
#重箱
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桃茂桃茂(ももも・ももしげ)と申します♪
2020年7月より、ショートショートガーデンさんに、作品投稿スタートさせて頂きました♪
どうぞよろしくお願い申し上げます♪
エブリスタさんに、こちらとはまた違う作品を投稿させて頂いております♪
https://estar.jp/users/154172809
2021年9月より、noteさんへの投稿始めました♪
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皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます♪
twitter : @momomo_momo4ge
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