ストレスを忘れさせる場所

ゆったりとした水の流れが目に入り、微かながらに聞こえてくる水の音は一種の音色のよう。
文明が進むにつれ、忘れていた自然の声。鼻を働かせば漂ってくる異臭なんて関係ないように、その場所は心を前向きにしてくれる。
だがその場所は入り込めばいつでも牙を剥き、人を飲み込むという事は珍しくはない。
然しどうしてだろう…見るだけなら大丈夫のように思えてしまうその理由は。
一番危ない場所な筈なのに、その場所はストレスを唯一忘れさせてくれ、愚痴や不安だって水と共にかき消してくれる。
私はいつだって苦しかったらここにやって来る。行き詰ったら必ず前を向かしてくれるから。
コオロギが鳴き、車の走る音があちこちから聞こえてくる。いつだってこのストレスに耐える物は弱っていく。
ストレスの吐きどころがある私は幸せ者なんだろう。
ゆっくりと微笑みながら、
「ありがとう」私はそう告げるとゆっくり立ち上がった…