誘拐犯の結末

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「娘は預かった。返してほしければ明日までに1000万円用意しろ。さもなくば娘の命はない」
 公園でうろちょろしている10歳の小さな子供を誘拐し、アジトに戻った誘拐犯は、すぐさま子供の家に連絡をした。しかし、反ってきた返事は思いもよらぬものだった。
「ほお、そうか。殺す手間が省けた。なら、早く娘を始末してくれたまえ。もし殺せなければお前たちが死ぬことになる。今日中にだ。分かったな」
 そして電話は切れてしまった。かけなおしてもつながらない。

「お前の父親は身代金を出す気はないそうだ」
 誘拐した娘に脅しをかけたが、娘は無邪気にボールで遊んでいる。
「へぇ、そうなの? じゃあ、おじさん、一緒に遊ぼうか」


 数時間後、警察がやってきた時には、誘拐犯の遺体しか見つからなかった。

「あーあ、また壊しちゃった。パパにもっと丈夫なおじさん紹介してもらわないと」
 娘は頭を蹴りながら家路についた。
ホラー
公開:20/09/22 23:48
誘拐 少女 意外な結末

フィーカス

短編掌編をよく書いています。
時々何かに入賞したりします(2回)。
わけのわからない世界観を生み出したいです。

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