彼氏のフリ

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「マジで彼氏のフリしてくれるの? 助かる!」
「まかせとけ」
 小学校の同級生のアキに「彼氏いるよ」と嘘を言い続けていたら、とうとうWデートしようと誘われてしまった。
 困っているとこぼしたら彼氏のフリをかって出てくれた。ホント助かる!
 服選んで髪セットして、支度はOK!
「おお、カラコン入れて正解だったね。超イケメン」
「だろ?」

 駅前でふたりを待っていると、アキとその彼氏がやってきた。
「わあ! エイミの彼氏、超イケメンじゃん」
「アキの彼氏もカッコいいね。紹介する、彼氏のマ、マサトだよ」
「チッス」
 アキの彼が軽いノリで挨拶してきた。ヤバイ……。
「初対面でその挨拶はないよね」
 マサトは礼儀にうるさい。口論を始めたふたりを見て、アキも腹を立てる。
「もう帰る、ケイタは頼んだだけで別に彼氏じゃないし」
「アタシもエイミの彼氏じゃないし」
 私のママは黙ってればイケメンだ。
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公開:20/09/20 22:14

深月凛音( 埼玉県 )

みづき りんねと読みます。
創作が大好きな主婦です。ショートショート小説を書くのがとても楽しくて好き。色々なジャンルの作品を書いていきたいなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
猫ショートショート入選『ミルク』
渋谷ショートショートコンテスト優秀賞『ハチ公、旅に出る』
ベルモニーPresentsショートショートコンテスト[節目]入賞『私の母は晴れ女』
ベルモニーPresentsショートショートコンテスト[縁]ベルモニー賞『縁屋―ゆかりや―』

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