ツンデレ炊飯器

3
5

 ある日、疲れていた僕は癒しを求め外へ出かけた。ぶらぶら歩いていると小さな電器屋でAiboが展示されていた。
中に入り色々眺めていると、ふとそこに「ツンデレ炊飯器」と書かれた炊飯器があった。
近くにいた店員が僕に近寄りこう囁いた。
「その炊飯器はきっとあなたの癒しになりますよ」この言葉に、なぜか負けてしまい結局買ってしまった。
 早速、家に持ち帰り、炊飯器で米を炊いたが特に何も起こらなかった。
「何が癒しだ!」と憤慨したが、米がおいしかったので、いつの間にか忘れてしまった。
 ある日、家で作業をしていると空の炊飯器が勝手に蓋が開き、まるでホタテが動くように暴れまわる。抑えても抑えても無駄だったので、炊飯器の窯を取り出し、米を炊くとおとなしくなった。
「癒すと言っていたのは炊飯器が人間代わりだからか!このツンデレめ!」かまってちゃんはめんどくさいなと思う反面、なぜかわからないがホッとした。
ファンタジー
公開:20/09/20 21:56

コメント投稿フォーム

違反報告連絡フォーム


お名前

違反の内容