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 暮れ方、納屋の屋根を突き破って、夜鷹が隕石のように落ちてきた。農具入れに嵌った夜鷹は翼がすっかりねじ折れて、満足に身動きがとれない。近所には治す動物医もいないし、この夜鷹はもう二度と空を飛べないだろう。私は感覚のない義手で折れた翼に触れてから、呟くように問いかけた。
「お前は死を受け入れるか」
 夜鷹はまだもがいている。それが落ち着くまで私はゆっくり話しかけた。
「それともお前は、人の施しを受けて、それでも、空を飛べなくても、まだ生きるのか」
 夜鷹は体の痛みと不自由を自覚しはじめて次第に動かなくなっていった。
「お前は、生きるのか」
 私は納屋を出て、布切れを水に浸して戻ってきた。細く尖った嘴に一滴水を垂らしてやると、夜鷹はそれを舐めた。もう一滴、二滴落としてみると、今度は喉を動かして水を飲み込んだ。
 その様子を私はただじっと見つめた。
 この夜鷹に何か名前を付けてやろうと思った。
その他
公開:20/09/20 19:12
更新:20/09/20 19:13

水素カフェ( 東京 )

 

最近は小説以外にもお絵描きやゲームシナリオの執筆など創作の幅を広げており、相対的にSS投稿が遅くなっております。…スミマセン。
あれやこれやとやりたいことが多すぎて大変です…。

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