※この物語には叙述トリックがあります
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『※この物語には叙述トリックがあります』
この小説は、そんな書き出しで始まった。
私は警戒した。というより、最初にそう言われてしまったら、警戒せざるを得ない。
私は目を凝らした。一場面一場面を吟味した。
物語自体は、嵐が吹き荒ぶ孤島の洋館で連続殺人が発生するという、オーソドックスなものだった。
次々と殺される登場人物。随所に散りばめられるトリック。そして、それを華麗に解き明かしていく探偵。
物語の最後は、晴れ渡る空の下、探偵が颯爽と船に乗り込む場面で終わった。
一向に、叙述トリックは見つからなかった。
私は天を仰ぎ、大きく叫んだ。
「なあ、この作品のどこに叙述トリックがあったんだ?」
「登場人物に叙述トリックが認識出来るわけ無いだろ」
この物語の作者は言った。
この小説は、そんな書き出しで始まった。
私は警戒した。というより、最初にそう言われてしまったら、警戒せざるを得ない。
私は目を凝らした。一場面一場面を吟味した。
物語自体は、嵐が吹き荒ぶ孤島の洋館で連続殺人が発生するという、オーソドックスなものだった。
次々と殺される登場人物。随所に散りばめられるトリック。そして、それを華麗に解き明かしていく探偵。
物語の最後は、晴れ渡る空の下、探偵が颯爽と船に乗り込む場面で終わった。
一向に、叙述トリックは見つからなかった。
私は天を仰ぎ、大きく叫んだ。
「なあ、この作品のどこに叙述トリックがあったんだ?」
「登場人物に叙述トリックが認識出来るわけ無いだろ」
この物語の作者は言った。
ミステリー・推理
公開:20/09/21 19:06
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