ゾウガメ通勤通学令

或る日突然、ゾウガメ通勤通学令が出された。
一体どうするんだ！　ゾウガメなんていないぞ！と世間は騒がしい。
既にゾウガメクローンと不足分を補うゾウガメロボが大量に生産されていた。
会社員や学生はゾウガメで通勤通学を始めた。
タクシーは大型に改良された大ゾウガメ、地下鉄や電車は更に大型化された大々ゾウガメ、新幹線は長大々ゾウガメになった。
旅客機は超巨大ゾウガメに翼とジェットエンジンをつけた。
人はゾウガメの背中に乗るので、雨の日は学校と会社は休みになった。飛行機の乗客はパラシュートを背負い座席にベルト固定となった。

街中がのっしのっしと歩くゾウガメの世界になった。
新幹線は東京大阪間が２００日になった。
高速道路は超低速道路になった。

人々もゾウガメ速度に慣れ、皆超のんびりムードになった。
そしてゾウガメに変身する人間が増えて、全人口がゾウガメになった。
ゾウガメ王国日本の誕生である。