縄張り管理局

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K市街ではある迷惑事を抱えていた。野良犬、野良猫たちが縄張り争いをしているのだ。
市民も勝手にやってくれればいいと思うものの、昼間から公園を牛耳って暴れている。
怖くて子どもを遊ばせられない。

K市役所の公園課も最初は甘く見ていたが、住民の声が日に日に高まって手に負えなくなったので、縄張り管理局に依頼した。
局員は早速現場を視察し、紛争解決にとりかかった。
局員はトレーナー資格を所有していたので、あれよあれよという間に犬猫たちは大人しくなり、それぞれの縄張りを理解したようだ。
局員は役所に報告し、ちょっとした地元ニュースでヒーロー扱いに。
あくる日には、公園に平和が戻った。

局員は今日も帰宅する。
嫁はテレビの前のソファで煎餅をお供にごろり。
娘は身に覚えのない憾み嫉みを言ってくる。
挙句に、脱いだシャツに向かって飼い犬が吠えまくる始末。
「はぁ、俺の居場所は一体どこにあるんだ…」
公開:20/10/08 19:00
更新:20/10/01 01:12

まのじゅん( 神戸 )

まのじゅん/間野 純
神戸市在住の26歳
執筆は2020年春ごろから

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