狩り暮らしのアニとエミー

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「俺の方がでかい!」
彼の手には矢の刺さった野鳥の瀕死体がぶら下がっている。
「あたしの方が長いわよ!」
力なく垂れた蛇の亡骸を握りしめて彼女が言う。
アニとエミーはいつでも互いの獲物を比べ合う。

子供の頃から、それは変わらない。
彼らの親たちも、初めは笑って見ていたが、何年経っても変わらぬ様子に、やがて痺れを切らし始めた。

「お前は男だぞ、獲物が大きくて当たり前だ」
「あなた、いつまでも狩りばかりしていないで、家のことも手伝いなさい」

なんとなく、展開は読めると思うが、やがて二人は結婚する。間の話は、まあ適当に想像してもらいたい。

親たちが他部族の猛者に殺され、二人が協力して復讐を果たし結ばれるとか。
エミーが他の男に求婚されて複雑な心情を抱いたアニが自分の本当の気持ちに気づくとか。
訳あって別れた二人がやがて再会し、改めて互いの魅力に惹かれ合うとか。

なんか、そんな感じで。
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公開:20/09/23 07:00
更新:20/09/19 17:54

レオニード貴海( 某海なし県 )

さまようアラフォー主夫

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