コンクリート坂から

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物心がつく頃には、舗装路が街を満たしていた。
どこまでも続くアスファルトと、コンクリートの縁、鉄のガードレール。
四角い、大きさの違うテトリス・ブロックみたいにして並ぶ無表情な家々は、揃うこともなく、消えることもない。

廃墟の写真を見るのが好きだ。蔦や、苔に侵食された壁面、崩れ落ちたコンクリートと錆びたむき出しの鉄芯、廃水の溜りが流れ去った後にできる、澄んだ青い小池。
私には郷里というものがない。両親の祖父母とも、23区の生まれで、いまでは大都会だ。
見たことのない世界に懐かしさと、憧れを覚える。生まれる時代を間違えてしまったような寂しさが時折私を捉える。

解体される立体駐車場の、そのコンクリートの坂から、新しく生まれる色のない街を望む。
繰り返される解体と、構築。以前には何もなく、後に何も残らない。
私はいったい、何をしているのだろう。時々、無性に不安になる。

答は、まだない。
その他
公開:20/09/24 07:00
更新:20/09/20 21:48

レオニード貴海( 某海なし県 )

さまようアラフォー主夫

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