山に神座す
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昔、とある神がたいそう美味しい茸が生えている山があると聞き及び、『今日からこの山は我がものとする。我に黙って登ってきたら死に至らしめよう。必ず用件を入り口で書き記してから登って来い』そう仰せられ、巨大な鳥居を空から地面に突き刺した。
困ったのは里山のご加護で生計を立てていた村人達だ。村一番屈強な男が、神とはいえそんな勝手がまかり通る訳がない。やれるものならやってみろと、そのまま山へ足を踏み入れた。神は『愚か者め』と神通力で足元に大きな穴を開けてしまわれた。如何に屈強な男とはいえ、突然落とし穴に落とされればどうすることも出来ない。男は泣きながら謝ると、村人が泣き声を頼りに救い出すことが出来た。
ある日幼女が「病のおっかさんの為に薬草をとりたい」とお願いすると難なく薬草を手に入れられた。神は山に入ることを禁じた訳ではなかった。皆、入山の許可を求めるようになり、行方不明者も激減したそうだ。
困ったのは里山のご加護で生計を立てていた村人達だ。村一番屈強な男が、神とはいえそんな勝手がまかり通る訳がない。やれるものならやってみろと、そのまま山へ足を踏み入れた。神は『愚か者め』と神通力で足元に大きな穴を開けてしまわれた。如何に屈強な男とはいえ、突然落とし穴に落とされればどうすることも出来ない。男は泣きながら謝ると、村人が泣き声を頼りに救い出すことが出来た。
ある日幼女が「病のおっかさんの為に薬草をとりたい」とお願いすると難なく薬草を手に入れられた。神は山に入ることを禁じた訳ではなかった。皆、入山の許可を求めるようになり、行方不明者も激減したそうだ。
その他
公開:20/09/19 20:22
昔話風
こんな話は無い
入山届け
射谷 友里(いてや ゆり)と申します
十年以上前に赤川仁洋さん運営のWeb総合文芸誌「文華」に同名で投稿していました。もう一度小説を書くことに挑戦したくなりこちらで修行中です。感想頂けると嬉しいです。宜しくお願いします。
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