魔女と猫

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 窓の外には白幕が続いている。
 冷たいだろうと思い窓に触れてみたけれど、予想に反して暖かさが訪れるだけであった。
 ここにも魔法がかかっていたのかと感心していると、猫の姿のルビィが私の足元に擦り寄ってきた。
 ルビィは私の足に2、3度顔を擦り付けると、尻尾をくるりと一回転させて人の姿へと変身した。
「おはよう、サナ。今日の朝食がまだなのだけれど」
 顔を擦っていたのはご飯の催促だったのかと私は苦笑いを浮かべる。
「全く食いしん坊なんだから。鶏肉と豚肉どっちがいい?」
「魚はないのか」
 私が首を横に振るとルビィは表情を曇らせた。
 その姿が愛くるしくて私はルビィの頭に手をやる。
 触り心地の良い黒い毛並み、この場合黒髪を手でくすぐると、ルビィは心地良さそうな表情を浮かべる。しばらくなされるがままになったのち、ルビィは猫に変身した。

 そういえば、ルビィは猫だったか人だったか。
公開:20/09/17 21:55

佐々木笹

初めまして。特に小説を書いてきた経験はありません。
感覚のままに書いているので、物語の面白さとかは特にありません。
筆が乗るままに書いた文の独特さということで目を瞑っていただければ幸いです。

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