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「おかしいわ、この道。さっきも通ったのに…」
私は車のハンドルを強く握りながら呟く。

今日は朝早くに娘を車で送っていき、その帰り道のことだった。
道は知ってるはずなのに、なぜだかいつもと違う気がする。角を曲がっても何度も同じ景色に出てしまう。
「どうして?」
しかも他の車も見当たらない。走っているのは私の車だけだ。
何かがおかしいのに何がおかしいか分からない。私はいったいどこを走っているのだろう。ハンドルを握る手が震える。私はいつの間にか迷路に迷い込んでしまったのだろうか。

外では、母親の車を見た娘が慌てて手を振りながら叫んでいる。
「お母さん、そこ自動車教習所の練習場だから!どうやって入ったのよ。しかも何でグルグル回ってるのよ!?早く気づいてよ。帰り道、あっちだから!」
その他
公開:20/09/17 17:29

川島 太一

2020年9月から書き始めています。
いつかの作家デビューを目指して、とにかくあらゆるジャンルのものを書いていきますので、お読みいただければ幸いです。

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