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少年と三匹の動物たちが血を流して倒れている。
周りの鬼たちは固まっている。
「なんてことしなすっただ」
黄鬼が言う。
「俺たちゃ、勝っちゃなんね、そういう取り決めだ」
青鬼の顔がゆがむ。
「いつまで?」
私が訊いたが、答えてくれるものは居ない。

あと何万回、奪われたらいい?
何の罪を犯したかさえ、我々は知らされてもいないのだ。

「とにかく、に、にげるべ」
その時、にわかに天が輝き出し、「彼」が姿を現した。
声が聴こえる。

『愚かな……、君は自分が何をしたか、わかっているのか』

仲間の鬼たちはその場にうずくまり、震え出した。
私は仁王立ちをしたまま、言った。
「知っている。桃の男がやってくるたびに蹂躙され、汚された仲間たちの思念を弔ったのだ」

『掟を忘れたか』
「私が破壊する」

怒りの声が轟き、身体が蒸発していくのを感じる。
薄れゆく意識の中で、私は息子たちに反撃の合図を送った。
ファンタジー
公開:20/09/21 07:00

レオニード貴海( 某海なし県 )

さまようアラフォー主夫

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