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彼と別れてから芙実は仕事に邁進していた。美容室なんていつぶりだろう。 [Hair Salon K ]と書かれたメニューを開くと、毛が1本ずつ並んでいた。毛の右下には、植物の標本のように名前の書かれた小さな紙が貼ってある。
わけあり毛 [ミステリアスな雰囲気を醸し出せます]
うれし毛 [ネガティブ思考で落ち込みがちな方に]
おとな毛 [子供っぽいのは嫌、大人っぽさ出したいなら]
「当店では、お客様の毛にお好みの毛を加えて、独自のスタイルを楽しんでいただいております。あまり沢山まぜると、まとまりが悪くスタイリングが大変ですが。」
立ち並ぶ毛の標本に圧倒されていた芙実は、美容師のアドバイスに更に混乱し何も言えない。
「実は裏メニューもあるんです。お客様に似合いそうですね。」
振り向く芙実に、美容師はそっと囁いた。
「あけっぴろ毛」
二人の間に流れる沈黙…と、ゆったりしたピアノのBGM。
わけあり毛 [ミステリアスな雰囲気を醸し出せます]
うれし毛 [ネガティブ思考で落ち込みがちな方に]
おとな毛 [子供っぽいのは嫌、大人っぽさ出したいなら]
「当店では、お客様の毛にお好みの毛を加えて、独自のスタイルを楽しんでいただいております。あまり沢山まぜると、まとまりが悪くスタイリングが大変ですが。」
立ち並ぶ毛の標本に圧倒されていた芙実は、美容師のアドバイスに更に混乱し何も言えない。
「実は裏メニューもあるんです。お客様に似合いそうですね。」
振り向く芙実に、美容師はそっと囁いた。
「あけっぴろ毛」
二人の間に流れる沈黙…と、ゆったりしたピアノのBGM。
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公開:20/09/18 02:23
更新:20/09/18 03:03
更新:20/09/18 03:03
初投稿は2020/8/17。
SSGで作品を読んだり書いたり読んでもらえたりするのは幸せです。趣味はほっつき歩き&走り(ながらの妄想)。
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