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ユカリ王女。
その破壊的美貌のために、彼女への求婚は絶えることがない。
「どうして、俺の気持ちを受け止めてくれない」
ゴリラみたいな王子が言った。
「暴力で、なんでも叶えようとするのは間違っているわ」
「俺様に本物の愛を教えてくれ」
野獣のような王子が言った。
「毛深い人、苦手だって言ってるでしょう」
「おまえ、オイラとこい、やしなってやる」
ヒキガエルに似た王子が言った。
「遠慮します」
「いつまで続ける気だ?」
ある日、展望台の上で父王は声を荒げた。
「それじゃ、次の王子に決めるわ」
ユカリは振り向きもせずに言った。
「そんな急に決めなくても……」
空気が抜けたような王の声。
「いいのよ、誰も、私の心は奪えないんだから」
自室に戻った父王はソファに身を沈め、先の戦争で死んだ兵士の写真を眺めながら呟いた。
「お前、なんでこの国に生まれたんだ。なんで、王子じゃなかった」
その破壊的美貌のために、彼女への求婚は絶えることがない。
「どうして、俺の気持ちを受け止めてくれない」
ゴリラみたいな王子が言った。
「暴力で、なんでも叶えようとするのは間違っているわ」
「俺様に本物の愛を教えてくれ」
野獣のような王子が言った。
「毛深い人、苦手だって言ってるでしょう」
「おまえ、オイラとこい、やしなってやる」
ヒキガエルに似た王子が言った。
「遠慮します」
「いつまで続ける気だ?」
ある日、展望台の上で父王は声を荒げた。
「それじゃ、次の王子に決めるわ」
ユカリは振り向きもせずに言った。
「そんな急に決めなくても……」
空気が抜けたような王の声。
「いいのよ、誰も、私の心は奪えないんだから」
自室に戻った父王はソファに身を沈め、先の戦争で死んだ兵士の写真を眺めながら呟いた。
「お前、なんでこの国に生まれたんだ。なんで、王子じゃなかった」
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公開:20/09/18 07:00
更新:20/09/15 23:30
更新:20/09/15 23:30
さまようアラフォー主夫
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