Love so sweet

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真夜中。
「嵐が、来る」
飼い犬のジャニーが吠えた。不吉な予感がした僕は、窓を開けて空を見上げた。いつもより暗い。それもそのはすだ。
月と星が、消えていた。
「これは一体……」
外は静かで嵐が来る気配はない。しばらく空を眺めていた僕は、ある事に気付いた。空が波打っているのだ。
ざわり、と僕の心の中を巣食う闇が蠢いた。光をカーテンで遮られたかのように息が苦しい。
救いを求め、懐からサバイバルナイフを取り出す。これは僕の守り神であり、心の拠り所だ。
「うわぁあぁぁあっ!」
僕は悪霊を祓うように、刃先を空に向けて振り回した。
すると空に亀裂がはしった。「あっ」と思った時には、裂け目から星がキラキラとこぼれ溢れた。
やがて微笑んだ月が顔を出す。その側に涙ぐんだ雲。雲は雨を降らせると、最後に虹を架けた。
もう空は波打っていない。月は虹をくぐり抜け、沈んだ。あとは太陽を待つだけ。
明けない夜は、ない。
その他
公開:20/09/16 23:45
更新:20/09/16 23:58
「ま」から始まる「カーテン」 そるとばたあ twitter企画 #ことば公園 例題のお題より

壬生乃サル

自由きままに、気の向くままに。
サルも木から落ちる・る・る~。

壬生乃サル(MIBU NO SARU)
Twitter(@saru_of_32)

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