縄跳び

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「ねえねえ」
家に入ろうとした時、そう声をかけられた。
振り向くと、ランドセルを背負った女の子が立っている。
この辺では見かけない子だ。

「お姉さん、縄跳びしよう!」
思いがけないお誘いに、私は困惑した。
「ちょっと急いでいるから」
そう断ると、泣きそうな顔になる。
「お願い、ちょっとでいいから」
なんだか妙に切実な感じがして、仕方なく一緒に縄跳びを飛んであげることにした。

女の子は私の顔をジッと見ながら黙々と飛んでいる。
私はいったい何をしてるのだろう?


暫くすると、満足したのか女の子がにっこり微笑んだ。
「どう?おもしろかったでしょ?」
私はなんて答えていいのか分からなかった。

「じゃあ、またね」
女の子は手を振ると、スキップしながら去っていった。



でも確かに、今頃になって楽しい気持ちになってきた。

そうか…しまった、私が見えたのか…
何年ぶりだろう…明日は逃さない。
ホラー
公開:20/09/16 23:41

彼方ケイ

初めまして!
400文字という制限に惹かれ、挑戦させていただいています。
主に、自分の実体験を元にお話を膨らませています。
よろしくお願いします。
 

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