くるん。くるん。

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くるん。くるん。

小さい川沿いの公園の植え込み近く、歩道に小さく、まあるいものがぷるぷるしている。

シジュウカラのヒナだ。
クチバシに黄色い縁取り。
ふわふわふわふわ。掌に載せたらカラフルな雲のように軽そうだ。
でも、人の手に触れると親鳥から見放されてしまう。どうしよう。

くるん。くるん。

小さい声が聞こえて来る。
「ああ、巣から落ちたんだね。人間に踏まれちゃうよ」
「助けなくちゃ」
「助けよう。ああ、でもどうやって?」
「蔓で持ち上げればいいよ」
「そうだね」「そうだな」「そうよ」

道端の雑草からたくさんの蔓が伸びてくる。
カラスノエンドウだ。
くるくる巻いた蔓を精一杯伸ばしてヒナを持ち上げる。親鳥のもとへ。

そしてまた、くるん。くるん。
ファンタジー
公開:20/09/16 22:27

さとうつばめ( 東京 )

東京生まれ。
読書するジャンルは時代もの多め。ふふ。

*プロフィールお堅いので変えました。
書くの面白くて連投しましたが、長く続けるためにゆるゆるやっていこうかな。

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