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娘が大きな画用紙に僕と妻の絵を描いてくれた。
「これは芸術品だ!額に入れて飾らなければ!」
僕の言葉に妻も同意し、我が家の居間には長い間、娘の絵が飾られていた。

そんな絵を娘である私は外した。だって恥ずかしいじゃない。いつまでこんなもの飾っておけないって。
「ママ、なにそれ?」
「これはね、ママが昔描いたじぃじとばぁばの絵だよ」
息子は目を輝かせると絵を指さし言った。
「僕もそれにお絵描きしたい!」
どうせ捨てようと思っていたものだ。
「いいよ。好きに描いて」
息子は古びた画用紙に私と夫の絵を描き始めた。
「これは芸術品ね。飾っておきましょう」
私の言葉に夫も同意してくれたので我が家のリビングには長い間、息子の絵が飾られていた。

『…と、何代にも続きこの”家族の絵”は生まれました。なお、この絵はまだ完成しておりません。幼き子孫が描き足し続ける限り完成しません』
と、美術館学芸員は語る。
公開:20/09/16 19:26

どんぐり三等兵

元・パンスト和尚。2019年7月9日。試しに名前変更。
元・魔法動物フィジカルパンダ。2020年3月21日。話の流れで名前変更。

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