その第二ボタン
4
4
「滝川先輩、第二ボタンください!」
私は先輩の卒業式の後勇気を出して言った。今どき第二ボタンは古いのかわからないが、とにかく欲しかった。
「え、僕の?…こんなのでよければ、あげるよ」
そんな控えめだけど優しい先輩が好きなんだ。特にライバルがいるわけではないみたいだけれど、先輩が私にくれたのだという優越感のようなものがあった。
その夜、私は嬉しくてそれを握りしめたまま眠りについた。
夢を見た。
女の人…?誰?スラっとしていて花柄のスカートがよく似合う素敵な人。大学生…?あ、私に気づいて寄ってくる。
「滝川くん、志望校合格おめでとう!頑張ったね」
渡辺先生は僕に満面の笑みでハイタッチを求めた。鼓動が速くなるのを感じる。渡辺先生の長くて細い指が僕のに近づく。
ダンッと私はベッドから落ちた。手からこぼれた第二ボタンは大きく円を描いてクルクルと回り、やがて止まった。
私は先輩の卒業式の後勇気を出して言った。今どき第二ボタンは古いのかわからないが、とにかく欲しかった。
「え、僕の?…こんなのでよければ、あげるよ」
そんな控えめだけど優しい先輩が好きなんだ。特にライバルがいるわけではないみたいだけれど、先輩が私にくれたのだという優越感のようなものがあった。
その夜、私は嬉しくてそれを握りしめたまま眠りについた。
夢を見た。
女の人…?誰?スラっとしていて花柄のスカートがよく似合う素敵な人。大学生…?あ、私に気づいて寄ってくる。
「滝川くん、志望校合格おめでとう!頑張ったね」
渡辺先生は僕に満面の笑みでハイタッチを求めた。鼓動が速くなるのを感じる。渡辺先生の長くて細い指が僕のに近づく。
ダンッと私はベッドから落ちた。手からこぼれた第二ボタンは大きく円を描いてクルクルと回り、やがて止まった。
恋愛
公開:20/09/14 20:39
#初心者
ログインするとコメントを投稿できます