【神の図鑑】神愛のアガペ

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神を愛することが生きる意味だった。死んだ兄に変わり教団の裏切り者を神の下へ返す。それが祈りであると私は信じて、アガペの、無償の愛を司る仮面を被った。
「愛してますかぁ?」
「「愛しています!」」
天道愛門(テンドウアモン)を開祖とする教団の信者は著名人や政界、警察にまで及び、影響力は凄まじい。私たち兄弟は教団施設で育ち、幹部だった兄は私の誇りだった。教祖の右腕だった兄は教団をまとめあげた。そんな兄は皮肉にも外部の女に偽物の愛で唆され死んだ。涙に暮れた私を教祖が救ってくださった。愚者を俗世から神の下へ返すことが神への愛、そして、兄への弔いだと信じた。

欲望と怠惰に塗れ、教団を私物化した教祖が兄夫婦を、レイの両親を殺したと知るまでは…

「叔父さん!そんな奴、撃っちゃ駄目だ!」

教団の教祖室。銃を教祖に向けた私に、レイが言う。私はアガペの仮面を外し、引き金の指に力を入れた。

ーーガウンッ
公開:20/09/14 19:17
更新:20/09/14 19:24
神の図鑑シリーズ⑦ 神愛にして真愛、無償の愛 神愛のアガペ 仮面の男アガペ=レイの叔父 仮面の男の兄=レイの父(故人) 次回最終回 6の愛、最後にして最大の愛

空津 歩( 東京在住 )

空津 歩です。

ずいぶんお留守にしてました。

ひさびさに描いていきたいです!


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